セミナー・サロン

HCDベストプラクティスアウォード2016最優秀賞受賞事例発表会をグランフロント大阪ナレッジサロンにて開催いたしました。

2016年の最優秀賞は、「HCDプロセスを導入した調理器具「remy pan + (レミパンプラス)」の開発」と「検体検査機器開発における人間中心設計プロセスの導入事例」の2テーマ。BtoCのフライパンとBtoBの医療機器の事例という好対照なテーマでした。



レミパンプラスを開発した和田さんからは、「心を動かす商品開発」について、広告業界のご経験を基に様々な事例をわかりやすくご説明いただきました。そして「優れたアイディアは、ロジックだけでは生まれない。」という投げかけ。これは我々運営側も思っていることで、「人間中心設計プロセスを実行すれば良い製品ができるんでしょ?」という単純なものでは無く、プロセスやツールでベースを高めた上で、そこからどのような設計解を導き出すかという点については、とことん考え抜く体力が必要です。そういったモノづくりの難しさと楽しさを感じることができた講演でした。



検体検査機器(全自動血液凝固測定装置CS-1600)を開発した有吉さんからは、典型的な製造業の会社組織の中にどのように人間中心設計を浸透させていったか、人間中心設計の各プロセスにおいて具体的にどのようなことを実施したか、そして人間中心設計を導入して開発した製品における定量的な効果といった、まさに多くのみなさんが悩んでいる部分のヒントとなるお話しをしていただけました。



ご講演後は、和田さん、有吉さん、水本(HCD-Net 関西支部)の3名でパネルディスカッションを行いました。会場からたくさんの質問をいただき、人間中心設計の各プロセスの実践上の難しさや、設計を洗練していく際の苦労など、それぞれの観点でお話しいただきました。パネルディスカッション後に開催した交流会でも、大いに議論が盛り上がり講師・参加者ともども有意義な一日になりました。

なお、ただいまHCDベストプラクティスアウォード2017の申請を受付中です。奮ってエントリーください。
http://www.hcdnet.org/practice/award/third_award/entry-986.html

イベント概要

HCD活動により優れた成果を創造した専門家、あるいはHCD/UXDの普及・啓蒙・発展に大きく貢献した個人や組織の活動やプロセスを称え、表彰することにより、広く社会にHCD/UXDの重要性を浸透させる。また、HCD-Net内で共有化することで、会員のコンピテンシーの向上を図り、全ての関係者が誇りと希望を持ってHCD/UXD活動に精進する気運を高めることを目的とする「HCDベストプラクティスアウォード表彰」ですが、このたび大阪にて2016年最優秀賞受賞事例の発表会を開催することとなりました。
 2016年は2点の最優秀賞が選定されました。事例についてのご説明を受賞者から直接お聴きできる貴重な機会です。ぜひご聴講ください。
 HCD-Net関西支部では、このイベントを皮切りに事例発表会をシリーズ化したいと考えています。2回目以降は、会員のみなさんからも事例発表を受け付けたいと思いますので、あわせてその説明も行います。

事例1
「HCDプロセスを導入した調理器具「remy pan + (レミパンプラス)」の開発」
和田 率氏 (株式会社remy) 
料理体験をユーザー視点で観察し、その結果を基にさまざまな工夫を生み出していました。料理の過程をユーザー視点で撮影し把握するなど、HCDのプラクティスとして優れたものであると同時に、ビジネスの業績面でも成果が出ている点も評価されました。

事例2
「検体検査機器開発における人間中心設計プロセスの導入事例」
有吉 俊輔氏 (シスメックス株式会社) 
利用者である作業従事者を高い精度で理解しており、ユーザー視点でさまざまな工夫を生み出していました。今後ますます重要となる医療分野においてもHCDが有効であることを証明しました。

■日時:11月15日(火)16:00~19:00(受付:15:30~16:00) 
※交流会は19:15~20:45

■会場:大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル7F
https://kc-i.jp/access/
http://kc-i.jp/facilities/salon/

■定員:50名(先着順)

■参加費:
事例発表会:正会員/賛助会員:3,000円 、学生会員:1,000円
      一般:4,000円、一般学生:1000円
交流会:どなたも4,000円

■コンピタンス:
本セミナーは、以下のHCD専門家コンピタンスに関係する内容となります。
A7.製品・事業の企画提案力
B1.プロジェクト企画能力
B2.チーム運営能力
B3.プロジェクト調整・推進能力
C1.HCD適用・導入設計能力

プログラム

15:30~16:00 受付
16:00~16:10 HCDベストプラクティスアウォード2017について
16:10~17:10 事例1 発表50分+質疑10分
17:10~17:20 休憩
17:20~18:20 事例2 発表50分+質疑10分
18:20~18:50 パネルディスカッション
18:50~19:00 次回事例発表の募集について


セミナー・サロンレポート ※研究発表会は「研究会」ページをご覧ください

アーカイブ(すべてのセミナー・サロン開催概要)※研究発表会は「研究会」ページをご覧ください

動画チャンネル

一部の講演は動画チャンネルで見ることができます。

HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。