人間中心設計専門資格認定制度における倫理指針

 

倫理指針制定の背景


NPO法人人間中心設計推進機構(以下、HCD-Netと略す)では、人間中心設計(以下、HCDと略す)に必要な能力(コンピタンス)を一定水準満たす者に対して、HCD専門家(以下、認定専門家と称す)およびHCDスペシャリスト(准専門家に相当)として専門資格を認定している。認定は、既に認定されている人間中心設計専門家が専門資格受験者の申請書類を審査し、最終的に認定合否判定委員会でその合否を判定する。
 
この制度は、申請書類をはじめとする審査基準などの検討や説明会などを運営するHCD-Net人間中心設計専門資格認定センター(以下、HCD-CCと略す)および専門資格認定センター事務局(以下、認定センター事務局と略す)が運営し、受験に関わる個人情報、業務情報、企業情報を取り扱う。
 
これらのことから、以下の目的を達成するために専門資格の認定(審査・判定)に関わる者の倫理指針を定める。
 

1. 目的と適用範囲


目的

HCD-Netが実施する専門資格認定において、受験者を保護するとともに審査・判定の厳密性、正確性、再現性を確保するために、審査・判定に関わる者がその使命を自覚し、審査・判定業務において遵守すべき事項や責務などを行動指針として定める。

適用範囲

HCD-CC構成員、審査に当たる認定専門家、認定スペシャリスト、認定センター事務局員
 

2. 用語の解説


NPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)

使いやすい、わかりやすい、楽しい経験を実現する製品・システム・サービスを提供する人間中心設計の思想や手技法に関して調査研究、普及・啓発、人材育成、ビジネス展開支援することを通じて社会に貢献する2005年に設立された特定非営利活動法人。

人間中心設計専門資格認定制度

HCD-Netが人間中心設計に関して一定水準の能力を有する人材を「専門家」として認定する2009年から実施している制度。試験は、実務実績においてHCDに関わる能力発揮を示す申請書に基づく書類審査。専門家には「認定人間中心設計専門家」と准専門家に当たる「認定人間中心設計スペシャリスト」がある。

HCD-Net認定人間中心設計専門家(認定専門家)

HCDに関わる実務経験を5年以上持ち、HCD実践の基礎、マネジメント、研究、組織開発に関わる一定水準の能力を有する人材。3年ごとに資格を更新する必要がある。

HCD-Net認定人間中心設計スペシャリスト(認定スペシャリスト)

HCDに関わる実務経験を2年以上持ち、HCD実践の基礎に関わる一定水準の能力を有する人材。3年ごとに資格を更新する必要がある。

人間中心設計専門資格認定センター(HCD-CC)

HCD-Netの専門資格認定制度を運用する組織。HCD-Netの独立した事業部に当たる。毎年の専門資格認定業務(受験要領/審査基準の決定、説明会の実施、合否判定など)と専門資格更新判断を行う。センター長をはじめ構成員は認定専門家あるいは認定スペシャリストで構成される。

専門資格審査員(審査員)

毎年の資格認定試験において公募し、受験者からの申請書類を審査基準にもとづき審査する認定専門家あるいは認定スペシャリスト。

専門資格認定センター事務局(認定センター事務局)

毎年の資格認定試験において、一連の事務処理業務(受験者の申請書類の受付、審査員の募集、審査員の受験者割付原案作成、審査員への審査依頼、審査結果の取りまとめ、判定会の事務、結果の発表など)を行う。また、専門資格更新のための諸手続を担当する。HCD-Net事務局が兼務する。

認定申請書類

専門資格受験のための一連の書類群。受験者自身に関わる情報、実践プロジェクト概要と受験者の関わり、プロジェクトにおけるHCD能力(コンピタンス)の発揮状況、参考資料などから成る。

認定合否判定委員会(判定会)

審査員による受験者の書類審査結果をもとに、HCD-CC構成員が行う最終的合否判断の場。必要に応じ受験者の申請書の記述内容を再確認し合議の元で合否を判断する。
 

3. HCD-CC構成員の行動指針


人権

  • 受験者の年齢、性別、人種、信条、社会的立場、職歴などの属性にかかわらず受験者の人権を尊重すること

責任

  • 時代が求める人間中心設計のコンピタンス(能力)にふさわしい審査基準を検討、維持すること
  • 審査基準を遵守し、専門性、厳密性、正確性、公平性、再現性および責任を持って、判定会で合否判定を行うこと

特定情報

  • 認定申請書および認定業務で知り得た特定組織、特定業務または特定個人に関する情報は、審査プロセスの最中またはその後もその情報を合法的目的のために知る必要のある人を除いて一切開示しないこと。

研鑚

  • 専門資格の合否判定を行う専門家として、日常からその専門性、力量および威信を高める努力をすること

信義

  • 認定プロセスにおいて合否判定に疑惑や不信を招くような行為はしないこと
 

4. 審査員の行動指針


人権

  • 受験者の年齢、性別、人種、信条、社会的立場、職歴などの属性にかかわらず受験者の人権を尊重すること

責任

  • 審査基準を遵守し、専門性、正確性、公平性、再現性を持って審査に当たること。また、審査は自らの責任で行い、他の者に相談しないこと
  • 自己の資格、力量、または経験を偽って伝えないこと

特定情報

  • 認定申請書および審査過程で知り得た特定組織、特定業務または特定個人に関する情報は、審査プロセスの最中またはその後もその情報を合法的目的のために知る必要のある人を除いて一切開示しないこと

研鑚

  • 専門資格の認定審査を行う専門家として、日常からその専門性、力量および威信を高める努力をすること
 

5. 認定センター事務局員の行動指針


人権

  • 受験者の年齢、性別、人種、信条、社会的立場、職歴などの属性にかかわらず受験者の人権を尊重すること

特定情報

  • 認定申請書および認定事務処理過程で知り得た特定組織、特定業務または特定個人に関する情報は、審査プロセスの最中またはその後もその情報を合法的目的のために知る必要のある人を除いて一切開示しないこと
 

6. 改廃


本指針はHCD-CCが発議し、HCD-Net理事会の承認を得て改廃する。
 

7. 参考資料


本指針策定に当たり、下記の資料を参考にした。
  1. 「人間工学研究のための倫理指針」 一般社団法人日本人間工学会
  1. 「ヒューマンインタフェース研究開発のための倫理指針」NPO法人ヒューマンインタフェース学会
  1. 「国家公務員倫理規定」内閣府
  1. 認定審査の最適実施要領検討グループ審査員の行動規範及び倫理規範に関する指針」 国際標準化
 

附則


  • 改定日 2020年10月02日
  • 施行開始日 2015年12月01日