HCDコラム

スマホでSNSやWeb記事を読んでいると、頻繁に目に入る面白そうなタイトルのついたWeb記事。多くはTwitterや海外の同様のサイトで話題になった写真や、オモシロ話を寄せ集めたようなもの。たいしたことは書かれていないとわかっていても、つい開いてしまう。

みなさん、気になりませんか?ユーザーの期待や、視認性をことごとく無視して、可能な限りミスタッチを誘うべく意図された広告の数々。まず、ページは細かく分断され、つい興味を示してしまったタイトルの中身を知るには何ページも遷移しなければならない。

そして、次ページへのリンクボタンは、可能な限り目立たなく、押しづらく、その上下には大概、"続きを読む>”などの遷移をにおわせる文言の入った広告。騙されまいと慎重にリンクを選んでも、押そうとしたその瞬間、画面中央部から下部にスライドするバナー広告(しかもきわめて薄い半透明)が現れてミスタッチ。次のページに行く前に毎回広告画面をはさんだり、素直に次ページに遷移したかと思ったら、異常に小さな閉じるボタンのついた広告画像が一面にオーバーレイ。

あっさり興味を失って離脱することもあるけれど、それでも続き見たさ・知りたさに、耐えて次へを押してしまうこともしばしば。結局、そうして読んでしまう人がいて、PVや誤クリックが稼げるから、どんどん悪質化の一途をたどるのだと思う。

ほめられたことではないが、これだけ酷いサイトでも、面白そうな記事の続きを知りたい
ユーザーの欲求にだけはギリギリ応えることで、一定数のユーザーは確保できてきるという点で、如何にユーザーの欲求を喚起するか、それに応えること(応えてもらえそうだと期待させること)が大切かを考えさせられる。 


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。