HCDコラム

こんにちは。私は商用車メーカーでソフトウェアを中心としたデザインに関わっているものです。 ここ1年ほど関わってきたプロジェクトとコロナを通して気づいたことをお話できればと思います。 一般的に組織やプロジェクトが大きければ大きいほど、関わる人も動くお金も大きくなるため当然ながらあらゆるフェーズで「意思決定」が必要になる機会も多くなります。AというHCD活動を導入すべきかどうか、HCD実践後の結果をどこまで反映すべきかどうか等、コロナ禍においては政府と専門家という構図が一番平易な例えになるかと思いますが、現在の政府の対応も含め現場と意思決定者の目線はいつも同じとは限りません。 いちばん象徴的だったのはクルーズ船対策で某教授が窮状を訴えられた件で、常に現場の考える「正しい」だけでは組織は賛同しないということです。私自身もプロジェクトにおけるデザインの専門家として、HCDの提案及び実践する中で向き合ってきた課題です。開発体制が3ヶ国、4拠点にも跨ったこのプロジェクトではあらゆる時間帯で様々な人種・国籍、異なる議題レベルと会議の招請を受けてHCDの説明と導入をすることが必要でした。 これまでの私の経験を通して、肌や国籍、文化、職性の違いはあっても基本的に「より良く」することに反対する人はいません。とりわけHCDは協力者なしには実践することは不可能であることを踏まえ、まずは信頼関係の構築が何かをしようとする際には組織において必要不可欠だと改めて思いました。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。