HCDコラム

皆さん「User Inyerface」というゲームをご存知でしょうか。User
Interfaceではありません。Inyerfaceです。「User Inyerface - A worst-practice UI experiment」(https://userinyerface.com/)というサイトで体験できます。このゲーム、4年ほど前にベルギーのデジタルコンテンツ制作会社Bagaarが作成したゲームで、とてつもなく使いにくいユーザインタフェースを使って会員登録を完遂するまでの時間を競うものです。いかに酷く使いにくいユーザインタフェースを体験できるかとの意味で、一度は試してみる価値があるでしょう。

とにかくアンチパターンがてんこ盛りで、ゴールに到達するには相当の忍耐が求められます。私、最初はスマートフォンの画面で挑戦してみたものの、スマートフォンの小さな画面では途中でギブアップせざるを得ませんでした。あらためてパソコンの比較的大きな画面で実行してみたところ、なんとか最後まで到達したもののゴールに至るまでに6分弱かかりました。

ゲームにこれでもかと盛り込まれた酷いインタフェースに腹立ちながらも、まずはクリアすることを目指して遊んでみてくださいというところですが、HCDに関わるものとしては、何が問題で、どのように改善すべきかの題材として、皆さんの議論などで取り上げてみるのも面白いのではないでしょうか。数え上げればキリがないほど次々とアンチパターンが現れます。それらについて一つ一つ考えていくことは、とてもよい教訓となるでしょう。いわゆる反面教師ですね。ここに現れるようなインタフェースは作ってはいけない、そんな教訓がこのゲームから得られます。たかがゲームと侮ることなかれ、その本気度はとても高いことに気付かされます。

さて、イライラしながらもゴールに到達すると、そのイライラをさらに加速するような画面が出現します。どれだけイラッとさせられるかは、試してみてのお楽しみ、ということにしておきましょう。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。