セミナー・サロン

10/7(水)と10/10(土)にオンラインセミナーにて「HCDコンピタンス知識編『ユーザー調査・概論』」を開催しました。  
講師には株式会社コンセントの太田 文明氏をお迎えし、「ユーザー調査計画」や「ユーザー調査実施」の知識と体系についてお話しいただきました。

「なぜユーザー調査を行うのか?」というテーマで講義が始まりました。
ここ最近、頻繁にユーザーの声を聞こう、ユーザーの声を重視しよう、という話を聞くようになりました。しかし、それに対して太田さんの「それは『ユーザー任せ』であり『ユーザーに提案してもらう』ことになる。プロ仕事は『ユーザーに提案する』ことである」という言葉が印象的でした。
そこで大事になるのがユーザーへの共感(Emphaty)であり、他者の目で調査することが必要(自分がなりかわらない)というお話から、今まで特に意識せずにユーザーと自分を重ねてしまう思考をしてしまいがちになっていたことに気づかされました。

その後、「ユーザー調査計画」「ユーザー調査実施」「定性・定量データ分析」「現状のモデル化」のそれぞれのテーマについてご説明いただきました。
それぞれのプロセスの中で押さえておきたいポイントや「これをやってはいけない」というアンチパターンの例も紹介していただき、これから調査を実践していく上でもチェックしていく指標になったと思います。

質疑応答では、出された質問に対して太田さんの経験より具体的な回答をしていただくことができ、すでに業務で調査を実施している方も多くヒントを得たのではないでしょうか。
アンケートからは「実務を踏まえた内容で参考になった」「太田さんの体験や実感踏まえてお話をしていただき、すごくわかりやすかった」という声が多く聞かれました。

今回、これからHCD認定資格に挑戦される方が多く参加している一方で、すでに資格を持っていらっしゃる方、業務で調査を実施されている方も多く参加されており、調査についての学びほぐしに最適だったのではないかと思います。
また、具体的に調査手法についても学びたいという声もいただきました。教育事業部としては、こうしたリクエストに応えて新たにセミナーを計画していく予定です。今後も、何か気付きがありましたら、ぜひアンケートなどでお知らせください。

概要

HCD-Netでは、HCDの専門家であれば知っておくべき基礎知識の講座を開催しています。本講座は、HCD専門家コンピタンス「ユーザー調査実施能力」に関するものです。今年度は、同一の内容で、平日夜と土曜昼の2回開催します。都合の合う日程に参加してください。 

ユーザーの本質的欲求や利用状況を把握するためには様々な調査手法・分析手法があります。しかし、急いでいる・ルーチン化しているなどで「覚えた手法ありき」になって基本が置き去りになっていないでしょうか? 

・調査の目的を見失っている 
・手法が目的に合っていない 
・本来調べるべき人たちでない人が調査対象になっている 
・調べるにあたって、人間の身体的・心理的特徴が十分考慮されていない 

このような状態では、的確な結果を出すことはできません。ユーザー調査の実施に当たっては、目的に合わせた調査設計、実査、分析を行うことが重要です。本講座では、プロジェクトに有益な結果をもたらすユーザー調査の計画・実施のための基礎知識を整理・把握していただきます。これから専門家を目指す方はもちろん、基本を見直したいという方も是非、参加してください。 

<対象者> 
・これからHCD専門家・HCDスペシャリストになりたい人 
・すでにHCD専門家・HCDスペシャリストで、守備範囲を広げたい人・学び直しをしたい人 

■日時:*同一内容で2回開催 
2020年10月7日(水)19:00~21:00
申し込み:https://hcd-ur2020-1.peatix.com

2020年10月10日(土)14:00〜16:00 
申し込み:https://hcd-ur2020-2.peatix.com

■会場:オンライン(zoomウェビナー予定) 
※アクセスURLはPeatixで登録されたメールアドレスに前日までにお送りします。 
※セミナー後、録画視聴可。 
参加申込者に期間限定(1週間)、録画したものをストリーミング配信します。 

■参加費: 
HCD-Net正会員/賛助会員:5,000円 
HCD-Net学生会員:1,000円 
一般:10,000円 
一般学生:5,000円 

■プログラム: 
・オープニング(10分) 
・講義「ユーザー調査・概論」(1時間40分:含む休憩) 
・クロージング(10分) 

■講師 
太田 文明(おおた ぶんめい)氏 
株式会社コンセント 
常葉大学 非常勤講師 
HCD-Net認定 人間中心設計専門家 

■対象コンピタンス 
A1: 調査・評価設計能力 
A2: ユーザー調査実施能力 
A3: 定性・定量データの分析能力 
A4: 現状のモデル化能力 

■参考(案): 
HCDライブラリー『人間中心設計の基礎』黒須、近代科学社、2013 
『情報デザインの教室』情報デザインフォーラム編、丸善株式会社、2010 

人間中心設計(HCD)コンピタンスマップ 2019年版(HCD-Net)
https://drive.google.com/file/d/102tC6DZu7YFogf0swmgian6_xniQhqsF/view


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動画チャンネル

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