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HCD-Netフォーラム2021開催レポート【1日目:11月26日(金)】はこちら

   

HCD-Netフォーラム2021:
Beyond Design ~ SDGs達成に向けた共創と社会実装 ~
開催レポート2日目【11月27日(土)】

    

9月1日にデジタル庁が発足したことを受け、この2日目には、デジタル庁の方々をお招きした講演、セッションを複数設けました。
その他にも、HCDの実践者だけではなく、様々な領域のゲストをお迎えしたセッションを設け、2030年に向けた「行動の10年」に、一人ひとりが感じ、考え、繋がり、行動するきっかけとなる貴重な機会となりました。

■11月27日 企画セッション① デジタル庁 PARTⅠ  ----------
デジタル庁におけるサービスデザイン領域の取り組み
誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を進めるために。

フォーラム2日目、最初のセッションは、今、国内でデジタルトランスフォーメーションに関わる方なら必ず一度は聞いたことがあるであろう「デジタル庁」の中の人のプレゼンテーションでした。土曜日の朝イチのセッションであるにも関わらず約80名の参加がありました。
セッション冒頭から大橋氏による「まずは場を温めましょう、みなさんチャットで挨拶しましょう!」という呼びかけの元、参加者との一体感が創り出され、寒い朝の熱い期待のセッションはゆっくりと始まりました。
プレゼンターはデザイナー2名(大橋氏、横田氏)、アクセシビリティスペシャリストの3名(伊敷氏、小野氏、和田氏)。
メインプレゼンターの大橋氏の呼びかけや振りの元で、みんながそれぞれテーマについて話しながら進む「一体感」が漂っていました。


デジタル庁のMission、Vision、Valueから組織の話、デザインユニットが何をするチームなのか、今何に取り組んでいるか、、、カッチリとした仕事の話で一通り皆が「そういう仕事をしているのね」と理解を得た後に話は「苦労話」へ展開。入庁当初の案件数や内容に驚愕した時の事や、民間ではあって当たり前の環境が無い、行政官の方とは使う言葉も仕事の進め方もまるで違う等のギャップ感等、これまでの苦労話を共有頂きました。行政と民間の方が一緒に仕事をするという事の大変さを理解しました。

セッションを通じて最も印象的だったのはこの3点です。
1.誰一人取り残さない事へのこだわり
2.行政官の使命感へのリスペクト
3.皆で共にやりきるという腹くくり

このセッション自体がUDトークでリアルタイム文字起こしされていたこと、デジタル庁でのとある案件が期日まで時間が無い中でも「このWebページはアクセシブルじゃない。今から代替テキストを考えるから少し待ってて」というギリギリ感と、デジタル庁のロゴフォントはオープンソースを使って実は攻めているという、デザインのプロとしてのこだわりが垣間見えるエピソード。皆が口々にしていた行政官の使命感の強さと仕事の量・質・スピードへの驚きと尊敬の想い。そして、「みんなでやらなければ日本社会のデジタル化は成し遂げられない、やりましょう!」という参加の呼びかけ、それぞれがとても印象的でした。まるで彼らが幕末の志士のようにかっこよく見え、胸が熱くなりました。

今日のセッションの参加者は、日本をデジタルで変えていくという新たなうねりの一部へと、すっかり変わったのではないでしょうか。

    

企画セッション②:アートDX ~街をやさしくReDesign~ ----------

今後もデジタル技術と切っても切り離せない生活をしていくであろう我々が大事にすべきエッセンスを、「アート」「コミュニティ・まちづくり」「デジタル技術」という観点から実際に利用されているアプリを紹介しながら、「横浜」を主なステージとして活動されているお二人をお招きし、入江委員を交えたセッションとして開催されました。いわゆるアート鑑賞の実態から、これからの美術館はどうしたものか、美術館と企業・⼈が繋がっていく展開への思いと、それに向けた取り組みなどを、熱く語っていただきました。
ところで、当セッションは、今回のフォーラムの中で、唯一ハイブリッド形式で行いました。神奈川大学 みなとみらいキャンパス内にリアル会場を設け、登壇者三名がいずれも近くで勤務されていることもあり、対面でディスカッションしていただきました。アクリル板を用意する等の感染症対策を施し、登壇者にも安心して臨んでいただけたようです。
対面でのディスカッション形式とした効果もあってか、議論はとても盛り上がり、みなとみらい地区を中心とした、今後の「アートDX」の展開がさらに活性化されていく方向で話が弾みました。

■登壇者
横浜美術館 渉外担当 襟川文恵氏
合同会社OXT Lab(オクトラボ) 牛尾隆一氏
株式会社野村総合研究所 入江 眞氏(HCD-Net広報社会化事業部)


    



企画セッション③:デジタル庁 PARTⅡみんなで「デザイン」する社会 ----------

前半は3名の方にご登壇いただき講演、後半はパネルディスカッションという形で進行しました。
最初の登壇者、デジタル庁CDOの浅沼氏からは「ゼロ」から「イチ」を生み出す現場の取り組みと、未来を社会課題を思い描きながら取り組んでいきたいという想いを語っていただきました。
xID日下様には公的個人認証という接点から、行政の現場で働く皆さんと一緒に課題の抽出から解決策の実装に取り組まれている様子を事例を交えながらご講演いただきました。
篠原理事長はHCD-Netで取り組んでいる人材教育や専門家の認定を、デジタル庁・行政自治体との取り組みのなかで活かしていき、「みんなで『デザイン』する」社会を目指していきたいというご提言をいただきました。
後半のパネルディスカッションでは、大橋氏にモデレータを務めていただき、官民の垣根を超えたそれぞれの役割、組織、そしてそこに関わる人の育成など、熱い議論が交わされました。参加者の皆さんも、国民として、HCD-Netに関心を持つ、関わるそれぞれの立場で、自分事としてお聞き頂けたのではないでしょうか。

■ 登壇者所属
デジタル庁 Chief Design Officer 浅沼 尚氏
xID株式会社 Co-Founder, CEO 日下 光氏
HCD-Net 理事長/豊橋技術科学大学 客員教授/ソシオメディア株式会社 代表取締役 篠原稔和氏
デジタル庁/HCD-Net HCSA委員長/モニカ株式会社 大橋正司氏


    


■11月27日 スペシャルセッション『1分間の動画に込めた"SDGirls"の想い』 ----------


今年3回目となる、晃華学園中学高等学校のセッションでは、過去2回同様、校内映像コンテストの1分間動画を紹介。優秀賞作品は、健康と福祉をテーマに発展途上国での医療提供状況への問題提起と具体的なアクションを映像化しました。最優秀賞作品では未来を救うヒーローが登場し、SDGs全般の促進を訴えました。また調布市とのSDGs連系事業で、空き家対策として中高生の立場から様々な空き家有効利用を「普及啓発プラン」として企業に提案する産学活動も紹介され、ますます広がりを見せるSDGirlsの活動で、様々な社会問題も自分事として捉える生徒の皆さんの想いをしっかり伝えていただきました。



    


 

 

 

 

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【レポート作成】 HCD-Netフォーラム2021実行委員 ※五十音順
飯塚 重善、入江 眞、小野 浩太、黒田 由加、河野 泉、酒井 啓江、田村 浩二、陳 欣蕾、橋本 昇平、藤井 勉、益成 宏樹、三木 陽介、山口 恒久


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