HCD認定ニュース

★第1期の審査結果
人間中心設計推進機構(HCD-Net)が世界に先駆けて立ち上げました「人間中心設計(HCD)専門家」の資格認定制度に広くご賛同をいただき、誠にありがとうございました。日頃よりHCD活動に携わる多くの方々からご応募いただき、厳正かつ公正な審査の結果、総勢119名の「人間中心設計専門家」が誕生したことをご報告いたします。
内訳はHCD-Net会員85名、一般34名となっています。初年度ということもあり、HCDの実践レベルが高く、産業界で活躍する方々が多数、資格を取得されました。本資格はHCD-Netが定めた一定の基準を満たしたことを認めるものであり、「人間中心設計専門家」の皆様は、今まで以上にHCDの普及啓発に、ご尽力いただきますよう、心よりお願いいたします。
なお、本資格の名称は以下のように定めますので、資格表示の際は適宜ご活用ください。
正式名称:「特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構認定 人間中心設計専門家」
略式名称:「HCD-Net認定 人間中心設計専門家」
英語正式名称:「Certified Human Centered Design Professional」
英語略式名称:「Certified HCD Professional」

★審査経緯
初年度はさまざまな準備をともない厳しい日程となりましたが、次年度以降もおおむね、今回同様の日程、期間で資格認定事業を運営します。申請の準備が年末から年度末にかかり、ビジネスの世界においても教育の世界においても繁忙期と重なりますので、次年度以降ご応募いただく皆様には、是非、計画的に取り組んでいただきますようお願いいたします。
告知日                2009年12月1日
募集要項公開日    2009年12月21日
申し込み開始日     2009年12月21日
申し込み締切日     2010年1月8日
申請書締切日       2010年2月1日
合格者発表日       2010年3月31日

★審査過程における課題
HCD-Netにおける審査要領は他分野の資格認定制度も参考にし、複数の委員による厳正な審査方法を実現するとともに、最終的には資格認定審査委員会において、各委員間に生じる判断基準の揺れについても適正に対応努力いたしました。しかし、当然のことながら、審査書類に記載された個人名を伏せて審査されるため、各委員は申請者の日頃の活動を考慮することはできません。このためHCD分野にて日頃より活躍されている方であっても、審査書類の記述内容からしかコンピタンスが判断されないことをご理解いただきたくお願い致します。
審査において挙げられた課題としては、HCDコンピタンスの中味がよく理解されていない、もしくは、各事業体によってHCD活動の内容自体に差異が生じている点があります。特に、要求分析、情報構造の分析、プロジェクトデザインなどのコンピタン ス項目に関して意図がうまく伝わらなかった可能性があるため、各項目の定義 の意図をより的確に表現するようさらに工夫する所存です。
審査の過程で目立った特徴として、プロジェクト内での活動内容や申請者の役割が具体的に記述されていないために、本人のコンピタンスとして読み取れない記述や単純にコピーして同じ記述の繰り返しがありました。あるいはまた、申請のためのガイドラインやコンピタンスの記入サンプルを、明らかに読んでいないと思われる記述もありましたが、こうした基礎的な事柄に関しては今後のガイダンスセミナーなどの企画も含めて申請者の一層のご理解により認識を新たにお願いしたい点です。

★次年度以降に向けて
<申請>
審査委員は申請者のコンピタンスを読み取る意志を持って審査しますが、申請者の意図が伝わりにくい記述だと、審査の結果、ゼロ査定項目が発生し、項目数不足となり必須項目条件の基準を達成できなくなります。最終的に必須項目数が不足するのを防ぐ意味でも、基準数となる項目のみを記述するのではなく、できるだけ多くのコンピタンス項目を記述されることをお勧めいたします。また、加点項目は審査委員会での総合判定の際に有効な情報となりますので、既に獲得している知識・知見などについては、惜しむことなく、ポイントを絞り、書き込んでください。
<更新>
本資格は3年ごとに更新する仕組みとなっていますのでHCD分野にて一層ご活躍いただきながら、更新時に必要なポイントを獲得し、継続して資格を維持頂きますようお願い致します。更新に関するポイント制度の詳細につきましては、後日ご案内予定ですが、HCD-Netおよび、他団体のHCD関連活動に参加したり、セミナーの講師や事例発表などを実践することで、ポイントが蓄積される要領となっています。さらに、本年度の専門家資格に準ずるグレードの認定についても早急に認定事業を開始する予定です。実務の第一線で活躍されている皆様の役割を証明できるものとして、多くのHCD開発従事者に資格を獲得いただけるよう検討中です。
<運営>
また、初めての実施とはいえ、運営側の不手際や不備がありました点が多々ありました点ご迷惑をおかけいたしましたが、今後の大きな課題として認識し反省するとともに、今後の仕組みとして認定された専門家の中からも参加を要請しより一層の審査体制の向上を目指す一方で、別途審査員ガイダンスの制定や受験者セミナーの実施なども計画して行く予定です。

最後となりますが、今回基準に満たなかった方々においては、さらに実績を積まれることで必ず、「人間中心設計専門家」を獲得される方々ばかりと認識しておりますので、次回以降の再申請を心よりお待ちいたしております。今回、晴れて資格を得た皆様には「人間中心設計専門家」としての自覚を持ち、人間中心設計をさらに広めるため、引き続き積極的な啓発および開発での実践をお願い致します。



2010年4月26日
NPO法人人間中心設計推進機構 規格化/認定事業員会