HCDコラム

現在、ビジネス支援事業部、関連団体向け支援委員会(早川委員長)では、IPA/SEC(独立行政法人情報処理推進機構 ソフトウエア高信頼化センター)との共同プロジェクト「利用時品質WG」を今年度の取り組みとして推進しています。

また、CSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウエア協会)では、第三者認証機関としてPSQ認証制度を運用し、ISO25010に基づき、初期の頃よりも「利用時の品質」確認を強化しているとのコメントを頂いています。CCDS(一般社団法人重要生活機器連携セキュリティ協議会)には、ユーザビリティWGを設置して、技術者集団に受け容れられやすいであろう「セキュアなUI」を構築するためのノウハウ展開を企画検討中です。

このように、HCD-Netの活動が、HCD/UXD領域の裾野を広げて、社会全体の底上げに繋がっていくことを試みていますが、目指す世界と現実のギャップはそれなりにあります。用語や取り組み方で各団体内での解釈は多様であり、押さえるべき基本をどこにおくか、それなりに進んでいる既存の活動を認めつつ、より良い方向へ向かうには、どんな情報を提供してくべきか、試行錯誤は続きます。

今一度、私自身が最初にユーザビリティ、UCDと向き合った感覚に立ち戻り、機能品質を極めようとするエンジニアの方々と、どのような会話を交わし優れたUI/UXを実現してきたのかを振り返って、注目されるIoT時代の「利用時の品質」を高めるためには、どのようなUX構築手法が適切なのか、そうはいうけれどUXシステム開発の実態も鑑み、今一度、UX要件の構築の仕方をどうするべきか、自問自答している次第です。
 酉年を迎える2017年、多くの仲間を取り込み、より実りある1年となるよう、皆さんと共に歩んで参りたい思います。

どうぞ、良いお年をお迎えください。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。