HCDコラム

世の中の状況は徐々にWithコロナの風潮が定着してきた感があります。私が勤務する会社でも、これまでオフィスの在宅率70%を目標として、在宅勤務を中心とした働き方を実践してきましたが、社会全体としてもテレワークが一般化し、Withコロナ社会に移行しつつある中「新しい日常」に向け働き方を見直すべきとして、オフィスワーク部門は週2回(月8回)の出社目標が定められました。対面コミュニケ―ションによるメリットとテレワークによるメリットを組み合わせることで業務効率の最大化を図ることを目的としています。

テレワークが浸透する一方で、テレワークのみによる人間関係の形成、信頼関係の醸成、共感の獲得には限界があり、社内外の関係者との対面でのコミュニケーションの重要性を再認識する時期が来たということでしょう。テレワークを始めた頃は普通に仕事ができるし通勤時間が省略できて「出社する必要ないな」「オフィスもいらない」…などと在宅勤務のメリットにかなり満足していましたが、しばらく在宅勤務を続けるとテレワークでのコミュニケーションは、対面コミュニケーションに比べれば圧倒的に得られる情報量が少なく、その質にも物足りなさを感じるようになりました。対面コミュニケーションでは、非言語情報や体感情報で成り立つ「雰囲気・空気感・熱量」というものがあり、これらがあってこそ会話が成立していたし、ひとつひとつの発言にも大きな影響を与えていたのだと気づくことになりました。

また、テレワークでは公私の切り替えがはっきりせず、長時間労働になりがちな状況があります。通勤という行動が公私を切り分けるスイッチになっていたり、会社にいれば少し立ち話をして片付く問題もテレワークでは、Web会議ツールで会話となりますがその際、アポなしでいきなりコールというのもマナー的にどうかと思えば、チャットやメールで「今、話せますか?」など確認する手間が必要になりました。これについては、電話とは違うマナーが知らないうちに存在しているようです。

連合が行った「テレワークに関する調査
2020」でテレワークのメリットベスト3が示されています。1位は「通勤がなく、時間を有効利用できる」、2位は「服装が自由」、3位は「好きな時間にできる」となっていますが調査から2年経った現在ではこれらが、そのままデメリットに転じるような感覚の変化が起きているのかもしれません。

ただ、テレワークの浸透で働く場所、働き方の選択肢が増えたことは確かです。現在は、仕事を自己の裁量でこなせる人にとっては、テレワークの快適さから効率的に成果を出せる環境が整ったと言えます。今後はこうした状況を完全に出社体制に戻すことなく、テレワークとオフィス出社のメリットをうまく使い分け、より良いコミュニケーションを模索することが企業としても個人としても重要になります。それでも飲み会だけは、完全に対面の方がいいですね。オンライン飲み会も何度かやりましたが今では全く興味がありませんしお誘いもなくなりました。皆様とリアル飲み会でお会いできることを楽しみにしております。

ビジネス支援事業部ではコロナ禍で、多くのイベント、セミナーをオンラインで実施してきました。これもコロナ禍だからこそ得られた成果です。「人間中心設計の最新国際規格を学ぶシリーズ」につきましてはこのアーカイブを今年度中にオンデマンド配信を開始する予定ですのでご期待ください。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。