HCDコラム

皆様、こんにちは。

BtoBサイトや業務システムのWebディレクターとして、カスタマーサポートにおけるテックタッチ・データ活用の文脈からCX・EX改善を支援するプロダクトセールスエンジニアとして、自社オウンドメディアのWebプロモーション担当として、そして1児の母として、その時々にあわせ、“より良い体験とは何か”を考えながら日々過ごしております。今日は、通院体験からの気づきをご紹介したいと思います。

かつては“通院体験”というと、「体調を崩す」「通院する(待合室で待つ、診察・処置してもらう、会計する)」「薬を受け取る(病院から移動する、処方箋を出す、待合室で待つ、処方薬等の説明を受ける、会計する)」といった一連の行動シナリオがあったかと思います。この行動において、「発熱しつつも待合室で長時間待機しなければならない。」「待合室にいる自分が、待機の何番目なのかがわからない。いつになったら呼ばれるのだろうか。」「長時間の待機に対して、診察は一瞬で終わってしまった。」「受付が混雑しており、会計のためにさらに待たなければならない。」「怪我で受診した際に、院内で感染し、体調を崩してしまった。」といった利用者目線で不便な体験をされた方も多いのではないでしょうか。昨今は“Webでの受診予約”が普及しており、このような不便さはかなり解消されてきたように思います。この背景には、サービスを取り巻く顕在・潜在するニーズが把握・課題化され、これらの体験をよくするためのサービスを企画・実現し、利用者による評価を受けて、またサービスへ反映していくといったこれらのプロセスを繰り返すことで、サービス自体が成長してきたことに気づきました。

直近で得た気づきの1例をご紹介します。以前は、Web予約が可能でも「新患の場合は予約できない」といった条件がありましたが、先日利用した病院では、病院予約ポータルアカウントを使って予約番号を発番するという代外手段によって、診察券番号が発番される前でも予約ができるようになっていました。その際、初回問診表を事前登録することもできるため、通院時の記入時間を省けるなど、副次的なメリットもありました。このように、利用者の背景・条件を意識することなく、誰もが利便性の高いサービスを利用できるようになったことは、サービス提供者がペルソナやユーザー体験を把握し、それらが心地よい形でサービスに組み込まれた結果だと気づきました。

また、これらのサービスの導入・成長は、利用者だけでなく、病院受付・医療従事者にとっても、メリットをもたらしているように思います。例えば、「事前に誰が来院するか、この時間に何人が来院するかが把握できるようになることによって、受け入れまでの準備ができる。」「“病院”という限られた場に、患者が集中した際のリスク対策や、対応業務が軽減される」といったところです。

さらに、With/Afterコロナのデジタル化推進の後押しによって、「このような医療事業者による取り組みが首都圏の限られたエリアだけでなく、全国的に広がっていること。」「”診察券”というアナログの代物がアプリなどを通じてデジタル化され、シームレスに利用できるようになったこと。」「薬局へ“処方箋”を事前にファイル送信し準備しておいてもらえることや、受取時間の指定をして自分の行動の延長線上で薬を受け取れるようになったことによって、薬局で処方薬を受け取るという体験が心地よいものになっていること。」「オンライン上での診察を受け、薬を処方し、自宅への発送までしてもらえるようになっていること。」にも気づきます。

そしてこれらのサービスは、従来の方法に加えて、新しい方法も選べるといった、多様性の一つとして存在していることにも気づきます。

こういったサービスの成長は、技術の進歩や、様々な立場の人を取り巻く環境の変化によって、大きく変動してきたように思います。また今後も、現在では想像できないような世の中に変化し、パラダイムシフトに対応していかなければならないと思います。このようなサービスの改善サイクルに取り組む一人の有識者として、今後も邁進していきたいと思います。


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HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

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