HCDコラム

筆者はHCD-Netのビジネス支援事業部「利用時品質」普及委員会で活動していますが、同委員会では毎年、東海大学の辛島研究室の協力のもと、大学3年生を対象に共同研究を行っています。本年も、9月末より全14回、委員会で行っている社会人向けワークショップをブラッシュアップする目的で学生に同じ内容のワークショップを体験してもらいながら、内容を精査しています。

主な内容はWebサイトやアプリを対象にNEM (Novice Expert ratio Method)を使った総括的評価と、情報提示の原則(JIS Z 8522)に基づくチェックリストでの評価とヒューリスティック評価を併せた形成的評価の2つを行っています。

また、本年は学生に、より自分事として取り組んでもらうために、企業のリクルートサイトを対象とし、委員会参加メンバーの企業サイトも評価対象に含め7社のサイトを比較調査しました。

学生自身は授業でHCDを学んだ事がある生徒と、いままで学んでいない生徒も含め11名で3つの班に分かれ、それぞれのサイトの考察と評価をしてもらいましたが、皆さんリクルートサイトという事もあり、必要な情報、分かりやすかった事、うまく必要な情報にたどり着けなかったことなど、さまざまな考察を発表して頂きました。

その後、ここからがHCD的なワークショップとしての主体部分ですが無料のCMSツールを使って自分達が思う、使いやすい企業サイトとリクルートページを作成してもらい、出来たサイトを各班がそれぞれ評価し、またそれをフィードバックしながら、指摘された点を改善し、Webサイトの改善と最終プレゼンへとつなげていきました。
もちろん学生ですのでWebサイト自体の出来栄えは一般的なサイトに対しては見劣りしますが、何を主体に構造化するか、またサイトに必要な表現を工夫しながら、導線を確保し、リクルートページに必要な要素は何なのかを明確にしながら、作成していきました。

今回の最終プレゼンでは、学んだこと、工夫したことなどプロトタイプの設計者及びユーザーの立場での評価結果と考察を発表してもらいましたが、その内容は、人間中心設計専門家のコメントとしても遜色ない、とてもすばらしい内容で考察の深さを感じ、感動を覚えました。

学生たちはこれから就職し、実務についていきますが、今回の共同研究がHCDや利用時品質の大切さを社会に出て実践していく土台になればと思っています。
「利用時品質」普及委員会の紹介となりましたが、HCD-Netでは様々な事業部や委員会がそれぞれ目的をもって積極的に活動しています。是非、会員の皆様もHCD-Netの中でご興味ある分野で、積極的に活動にご参加ください。
HCD-Netの益々の発展の為、どうぞ宜しくお願い致します。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。