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本コーナーでは、ユーザーを意図しない意思決定へと誘導し、企業にとって都合のよい結果となるようにする「ダークパターン」について、株式会社コンセントで収集している国内外の動きやイベントなどの情報の一部を抜粋してお届けしています。
■研究論文「動画広告における打消し表示の文字サイズが視線停留と記憶に及ぼす影響」
(北海道大学大学院文学研究院 河原純一郎教授、中京大学心理学部 伊藤資浩任期制講師)
※2025年3月10日『心理学研究』掲載
例えば「通常価格から30%割引」といったような魅力的な内容を訴求する強調表示に対して、「30%割引は会員限定」といった強調表示の条件等を記載する「打消し表示」。動画広告におけるこの「打消し表示」の文字サイズが、視聴者の視線停留時間と意識的想起・再認に及ぼす影響について研究された内容がまとめられている論文です。
研究結果からは、打消し表示の文字サイズを拡大することで視線停留時間や再認成績の改善が一部で見られたものの、その効果は広告内容等に依存する限定的なものであり、文字サイズを拡大することが必ずしも打消し表示への安定した注視の誘導や表示内容の記憶(特に意識的想起)を保証しないことが明らかになったことが考察されています。また、「打消し表示の認識において視聴者にいかに注視させるかがポイントになる」ということも示唆されています。
▷研究論文
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/advpub/0/advpub_96.24004/_pdf/-char/ja
■JIPDEC「デジタル社会における消費者意識調査2025」(2025年4月24日)
個人情報やプライバシー、生成AIやAIエージェント、ダークパターンなど、デジタル社会で注目されている課題への意識や実態を探るため、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が全国の18歳から70代の男女を対象に実施した調査の結果が公開されています。
ダークパターンについては、遭遇した際に、購入・登録・問い合わせに関してどのような「対応」をとったのかと、どのような「気持ち」を抱くかについて調査した内容が分類例ごとにまとめられています。
▷プレスリリース
https://www.jipdec.or.jp/news/pressrelease/20250424.html