HCDコラム

新元号発表直前にこのコラムを書いています。歴史の節目は、振り返りや新たな目標を考えるよい機会になっていると感じます。忙しい毎日を過ごされている方も、ちょっと立ち止まっていろいろな視点、立場で考えを整理してみてはいかがでしょうか。ということで私自身もこれを機会に少し振り返ってみました。

まずはHCD-Netの活動、この1年を振り返ってみます。昨年の6月に篠原理事長体制がスタートし、当初、財政面や組織、事務局体制などいくつかの課題がありましたが、篠原理事長のリーダーシップの下、現在は解消されています。昨年から複数の新しい理事を迎え、理事会では新しい意見や考えなども出て、建設的なディスカッションができています。この理事コラムに昨年の8月頃から新任理事の皆様のコラムが順次掲載されていますので、お読みいただけると皆様の思いや理事会の様子、雰囲気などを身近に感じていただけると思います。そして昨年の11/30、12/1に「あらためてHCDの意味を考える」というテーマでフォーラムを開催しました。開催レポートがWebに公開されていますので、参加できなかった方も是非ご覧ください。
https://www.hcdnet.org/hcd/event/entry-1267.html
今年最初のコラムでは篠原理事長より年頭のご挨拶と決意表明がありました。財政面や事務局体制も安定し、今年が本格的なスタートの年になると思います。私としては「社会的なネットワーク基盤」という用語が印象に残っていて、HCD-Netが目指す方向性として意識していきたいと思っています。

HCD-Netの主要事業のひとつ、資格認定制度では、この3月27日に10回目のHCD専門家の合格者を発表しました。スペシャリストもあわせると現在、1000名に迫る規模になっています。設立当初は数年後から志願者が減少することも予想、懸念していましたが、この10年間、右肩上がりが続いています。まだまだ需要があり、広がりがあることがわかってきました。HCD専門資格認定センターは、益々その責任が重くなり、基盤をさらに固めていく必要があります。専門家になられた皆様は、専門家の活動のひとつとして、認定センターへの協力にも是非、手をあげていただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。

個人として振り返ってみると、大学に移って4月から7年目に入ります。3月19日に着任後6回目の学位記授与式を迎えることができ、毎年のペースはできてきましたが、マンネリ化しているようにも思います。大学教員は次のような3つの主要活動目標があります:「1.教育活動」、「2.研究活動」、「3.大学運営・社会貢献」。それぞれ毎年、具体的な目標と計画を立てて年度末に評価しているのですが、これらが代わり映えしなくなり、もう一度考え直すときにきていると感じています。先日、出身研究室の50周年記念イベントが開催され、自分の大学生、大学院生時代のことを振り返る機会がありました。当然ではありますが、自分の学生時代の体験をベースに現在の研究室運営をしていることを再認識しました。このルーティン化していることの意味を問うこと、そして他の大学や研究室等の具体的な活動をもっと知ることで、何か心機一転していきたいと考えています。数日後に新元号がいよいよ発表され、5月から平成の次の元号となる年、HCD-Netも自分自身も何か記憶に残る年にできればと思います。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。