HCDコラム

UXやHCDに関連した業務からコンサルティング業務(以降、コンサル)に転職して、約3年経過しました。私が携わる業務には主に新業務立ち上げ、BPR、システム導入のための支援があります。

UXやHCDと関連がないと思われるコンサル業務であっても、UXやHCDの基本的な考え方(以降、UXやHCDの考え方)を応用することが多いです。
考え方とは、「誰がユーザか」「ユーザーにどんなアクションをさせるか」「そのための施策は何か」です。もしかしたら、読者の皆さんも応用できる場面があるかもしれません。私の例を簡単にご紹介致します。

業務システム導入プロジェクを例に挙げて説明したいと思います。
一般的にウォーターフォール型のプロジェクトでは、構想策定~業務要件定義~システム開発~業務運用等のフェーズがあります。このフェーズのすべてで、UXやHCDの考え方を意識しています。ちょっとイメージしづらいかもしれませんが、今回は構想策定のフェーズにおけるUXやHCDの考え方の応用を説明します。(業務要件定義以降のフェーズでの実施については読者の皆さんの方が知見があると思いますので、ここでは割愛)

構想策定の場面でも使えるというと、読者の皆様は驚くと思います。その理由は、このフェーズの目的が業務やシステムの目的・全体を定め、マネジメントが投資の有無等を判断をすることであり、その検討に業務システムの利用者がアサインされずらいため、UXやHCDの考え方を適用させることが難しいと考えるかもしれません。

しかし、誰かが何かしらの判断をすることを行うため、その過程をデザインすることができます。例えば、マネジメント層の要望をポンチ絵等で具体化し、関係者の意見をすり合わせて、マネジメント層に判断させています。ポイントは、資料を使って、マネジメント層に判断させること。つまり、マネジメント層が「ユーザー」であり、判断させることが「アクション」であり、資料を使った検討が「施策」と考えることができることです。ユーザーが特定できれば、自ずとHCDのプロセスを当てはめてUXの向上を考えることができます。

UXやHCDの基本的な考え方の応用範囲には、業務要件定義以降のフェーズや、自分の基礎スキルの底上げや他社との差別化もありますが、この話はまた別の機会に。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。