HCDコラム

「近くのガソリンスタンド探して」「ボブ・マーリーをかけて」ハンドルの音声入力ボタンを押せば、Apple CarPlayでコマンドを実行してくれる。昨年車を買い替えてからハンドルを握った時の各種入力におけるUXが格段に上がった。車の運転時のボイス入力は最強だ。

小学4年生になった上の娘が彼女のiPadで調べ物をしている時にふと最近気づいたのだが昨年までは検索する時は必ず音声入力で検索していたが、最近はタイプして検索しているのにふと気づいた。「前まで音声で検索してたけど、最近なんでタイプして検索してるの?」と聞いてみると、「だって音声だと私が言ったことちゃんと聞いてくれないことが多いから、2度手間になるから最近はタイプしてるんだよね」と教えてくれた。「でもね、パパ、テレビでネトフリとかアマゾンプライムで探すときはね、音声で言った方が早いんだよね、タイプするのリモコンだと大変だから。パパもTVの時は音声で検索した方がいいからね。」と自慢げに教えてくれた。なるほど、なるほど、正解に辿り着く上でどういう入力手段を選んだほうが最適なのかディバイスごとで考えてるんだな、娘よなかなか成長したなと。

6年前にGoogle Homeが仕事の関係上やってきたタイミングでまだ日本語に対応していなかったのと、YouTubeに彼女がアクセスできる唯一の手段でもあったので必死に「Play Disney Video」というフレーズを覚えて、アナ雪やラプンツェルの動画を見ていましたが、彼女がタイプするという新たなスキルを習得し、使い分けを手数の手間や正確性みたいなことを経験から考えて子供なりに選択してるんだなという新しい発見でした。

今後育っていく子供は、まず音声で入力し検索することをまず学び、その後タイプして検索することを学ぶ流れになってくるのが言語発達のステップを考えると当然の流れになると思いますが、音声認識の精度が今後さらに上がっていくと、もしかするともっと色々なシーンで音声入力が優位性を持つシーンが将来的には発生するのではないかとVUIのUI/UXに黎明期から携わっているものとしては期待と可能性を感じた瞬間でした。


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HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

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