HCDコラム

 HCD-Net会員、認定人間中心設計専門家・認定人間中心設計スペシャリストの皆さん、元気にHCD/UXDしていますか?

 日々の業務の中で互いに切磋琢磨し、また、HCD-Netの各種イベントを通じて、少しでも多く専門領域のスキルやノウハウの獲得、向上に励んで いただいていることと思います。今回は、私達が専門領域のスキル、ノウハウを獲得して次に何をすべきかについて改めて考えたいと思います。

 私達は、HCD/UCD/UXD/UI/GUI/デザイン思考/ユーザビリティ/ユニバーサルデザインなどなど、巧みに用語を使い分けて日頃会話 をしています。技術系のコミュニティからは、私達の集まりのことを「ユーザビリティ・コミュニティ」と敬意を込めて称される場合もありますが、専門領域外 の人と話す際にはこの用語の使い分けや意味することを説明するのに苦労するのが事実です。
HCD/UXD専門領域での長年の活動が、今日の600人を超える認定専門家・スペシャリストの集いとなり、また、専門領域外の方々から、その存在を認められるようになったことは自信を持って良いことであり、関係者の喜びでもあると思います。

 さて、これからのビジネスの現場における活動においてはどうでしょうか。専門家・スペシャリストの皆さんは、この専門資格の価値をどのように捉え、また、享受、活用しているでしょうか。

 私の日々のビジネス環境においては、HCD/UXDの専門ノウハウを単に有するだけではビジネス活動の中で優位に振舞うことはなかなかできず、どちらかと言えば、ビジネス活動全般の中では、コアになる既存のスキル(営業、企画、仕様、デザイン、設計、製造、品質、運用、研究、分析など)がしっかり とベースにあり、それらのノウハウをさらに強化、革新できる手段として、HCD/UXDノウハウが有用であると私は感じています。

 言い換えると、専門領域のスキル、ノウハウを身に付けた次のアクションとして、専門領域外の人達とプロダクト開発であれ、サービス開発であれ、 ソーシャルイノベーションであれ、HCD/UXDのコアスキル群をベースに開発現場で丁々発止と渡り合う必要があります。そのためには、これまで以上に他 領域の知見とも交わり、ビジネス全体や他領域のキーマンとの会話、議論、そして協業ができるようになりたいと考えています。
「HCD/UXD領域のノウハウがあなたを強くしますよ。」と伝えてあげたいのです。その意味で、私達は専門領域の同志として強く結束し、 HCD-Netの対外的な活動をさらに強化すべき時代を迎えたのではないでしょうか。ひょっとしたら、私達が使い分けようとしている用語も、対外的には統一して使っても良い時期が来ていると思います。

認定専門家・スペシャリストがそのスキルをビジネスの現場だけでなく広く社会に役立てることができるよう、公益的な役割を担う法人としての責任をしっかりと負うべく、HCD-Netの運営についても今後とも改善を重ね行動して参ります。


HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。