応募要領

審査書類について

プロジェクト記述書の記入について

コンピタンス記述書への記入について

 

審査書類について

資格審査には「審査書類」を利用します。「審査書類」は、下記のように提出(必須)シートと任意提出のシートで構成されています。これらの書類を作成し「審査書類提出フォーム」より提出ください。

「審査書類」は、認定の合否を判断する重要な記述書です。

審査では提出いただいた書類を基に、客観的かつ再現可能なスキルを判断します。

 

注)「審査書類」の記載については受験者自身が独力で行ってください。記載した審査書類に対するアドバイスを他者から受けることも控えてください

注)「審査書類」は、受験応募に応じて、HCD専門資格受験者用とHCDスペシャリスト資格受験者用で異なります。

 

提出(必須)シート

  • プロジェクト記述書
  • コンピタンス記述書

 

任意提出のシート

  • プロジェクト整理シート
    • プロジェクト記述書、コンピタンス記述書に記述するHCDプロジェクト(以降、プロジェクト)の選定、整理に活用してください。申請書に記載するプロジェクトを選ぶ際に、必要な記載数を満たすことができるかどうかをチェックすることができます。
  • 手法から関連コンピタンスをチェックするシート
    • 何を実施した経験がコンピタンスの発揮につながるのかわからないと感じたときに活用してください。 申請者が実施したことのある手法、技法から、どのコンピタンスの発揮に関連するのかを整理することができます。

審査書類に記載が完了しましたら、 「審査書類提出フォーム」より送信ください。これをもって審査書類の提出となります。

 
 

HCDプロジェクトについて

プロジェクトとは、ユーザーに対するヒアリングやプロトタイピングなど人間中心設計の考え方や取組み方(プロセス)を導入して、仮説構築・検証をしながら進めるプロジェクトのことです。審査書類においては、これまでのご経験をHCDプロジェクトとして記載いただくこととなります。

プロジェクト対象は、製品・システム・サービスの新規開発や改善が代表的です。開発ライフサイクル全体だけでなく、一部でも構いません。他には、設計環境の提供、調査・研究テーマや、組織の創設・運営や改革なども含まれます。

 

◆記入要件について

①プロジェクト記述について、必ず3件以上5件以下で記入してください。

  • あなたが参画したHCD/UXDやユーザビリティに関わる具体的なプロジェクト経験を、該当する記載項目に記入してください。
  • 記入プロジェクト数が3件に満たない場合の審査書類は、審査の対象になりません。
  • 5件を越えて記入していても、6件目以降は審査の対象になりません。

②コンピタンス記述について、記入必須項目数は下記、表の通りです。

  • 必須項目数に満たない場合の審査書類は、審査対象になりません。
  • ここで「発揮された」と判断されるコンピタンスの数が足りないと不合格となります。
受験対象 A群 B群 C群 その他
専門家 7項目以上 1項目以上 1項目以上

B群とC群合わせて3項目以上

スペシャリスト 6項目以上 - - -

 注)機密・特定・個人情報の記入については記入しないでください。

  • 受験者が特定できるような情報(社名や自社製品名など)は記述しないでください。受験者本人や所属が特定できるURLについても同様です。
  • プロジェクト記述書の”所属機関名”、 ”所属部署名”、”活動歴を証明できる方”の項は除きます。

 

◆ プロジェクト整理シートを活用しましょう。

  • 必須項目数を満たしているか、個別のコンピタンスについて、記述したプロジェクトが1つだけのものばかりでないかなどを確認しながらプロジェクトを選定すると効率的です。

 

◆ 審査では、参画したプロジェクトを通じてどのようなコンピタンスを発揮したかを見ています。

  • プロジェクト記述書は、実際にどのような活動の中でコンピタンスが発揮されたかを知るためのものです。ここに挙げたプロジェクトをコンピタンス記述書に記入いただきます。

  • HCDの専門家のコンピタンス をできるだけ幅広く含むようにプロジェクトを選んでください

   参考:「審査書類と補助関連資料一覧(ダウンロード)」サイト

 

 

プロジェクト記述書の記入について

各記載項目について期待する記述内容について説明します。

(1)プロジェクト全体概要

1−1)活動・プロジェクト名

  • 前述の通り、製品・システム・サービス、設計環境整備、手法研究など様々なHCD/UXDやユーザビリティにかかわる業務活動を指してプロジェクトと呼びます。内容を表す名称を記述してください。
  • 具体的な商品名やサービス名などを出さずに、どのような活動かわかる範囲で抽象化した名称にしてください。
    • 例1:「○○社向けカーナビゲーションの組み込み取説の開発」
      • 「カーナビゲーションの新機能開発」、「車載機器のガイダンス機能開発」等。開発や研究の一部だけを担当していた場合は、あなたの担当した活動を表す名称にしてください。
    • 例2:△△市の電子入札システムの改編プロジェクトの中の現状調査のみ
      • 「自治体電子入札システムのユーザー利用状況分析」等

1-2)背景

  • なぜその活動やプロジェクトが開始されたかの理由や背景などを差し支えない範囲で記述してください。

1-3)対象

  • その活動やプロジェクトが何を対象や目的にしていたかについて(〇〇サービスの新規企画、〇〇プロダクトのユーザビリティ改善、など)、概要を記述してください。
  • 特にHCDに関してやユーザビリティ面でどのようなことを対象にしていたかを明示してください。

1-4)課題

  • その活動やプロジェクトを開始あるいは実施する際に何が課題であったか、概要を記述してください。
  • 特にHCDに関してやユーザビリティ面でどのような課題があったかを明示してください。

1-5)目的・ゴール

  • その活動やプロジェクトが何を目的・目標あるいはゴールとしていたのか、概要を記述してください。
  • 特にHCDに関してやユーザビリティ面でどのようなことを目的・目標あるいはゴールにしていたかを明示してください。

1-6)開始年月

  • あなたがプロジェクトに参画した時期を記述してください。
  • プロジェクトの正式な発足前からあなたがこの業務に着手していた場合はその時期、正式メンバーに指名されてから活動開始した場合は指名された時期、途中から参画した場合はその年月を記述してくだい。

1-7)終了年月

  • あなたがプロジェクトの活動を終了した時期を記述してください。
  • プロジェクトの終了後も継続的なフォローなどが定常業務になっている場合は、年度で区切ってください。

1-8)所属機関名(実施時)

  • あなたがプロジェクトの活動を実施していた時の所属機関・会社について記載してください。
    • 例:株式会社○○

1-9)所属部署名(実施時)

  • あなたがプロジェクトの活動を実施していた時の所属組織・部署ついて記載してください。
    • 例:開発本部HCD室

1-10)プロジェクト体制

  • 差し支えない範囲で、プロジェクトの大きさとその中でのあなたの位置づけがわかるように記述してください。
  • プロジェクトの人員、関係部門など。また大きな開発・研究の一部を担当していた場合は、全体の期間・規模も記述してください。

1-11)プロジェクトとしての成果・結果

  • 本プロジェクトを行った結果としてどのような成果や結果が得られたか、概要を記述してください。
  • 特にHCDに関してやユーザビリティ面でどのような成果や結果が得られたかを明示してください。

(2)活動歴を証明できる方(※記入は任意です)

申請者によって実際にその活動が行われたかどうかを『活動歴を証明できる方』(上司、一緒に働いた同僚、部下、取引先など)に確認する場合があります。対応していただける方の連絡先を具体的に記述してください。
確認の連絡は、記述があいまいな場合や、記載内容に疑問点がある場合に行われる予定です。プロジェクトの中で申請者の果たした役割が具体的に記述されていれば、問い合わせをすることはほとんどありません。

(3)プロジェクトの目的・実践フェーズ

プロジェクト全体の事柄について、当てはまるものに○を選択してください。ただし、これは、○の数を競うものではありません。
技術開発から商品開発まで一貫した活動に携わった場合はたくさん当てはまり、ガイドライン作成のようなインフラ整備の活動の場合は当てはまるものが少なくなります。

3-1)商品開発(製品、システム、サービス、コンテンツ)

  • 事前調査
    • 市場調査、先行商品の利用実態調査、フィージビリティーなどを含みます。
  • 企画・要件
    • 商品のコンセプトを決め要件定義をするフェーズです。コンセプト検証などを含みます。
  • 設計・デザイン・開発
    • 要求仕様書をはじめ、具体的なデザイン・設計をするフェーズです。プロトタイプ検証による設計改善や取扱説明書やヘルプコンテンツの制作などを含みます。
  • ユーザー検証
    • 商品または商品の最終形に近いものでテストをするフェーズです。ユーザーによるベータ版テスト、発売後のユーザー調査などを含みます。
  • 運用・サポート
    • 発売または運用後の活動フェーズです。定常的な長期モニター活動などを含みます。

3-2)HCD/UXD、ユーザビリティに関するコンサルティング

  • 商品開発(製品、システム、サービス、コンテンツなど)
    • 商品開発にあたって、HCD/UXD活動やユーザビリティに関する現状分析・提案などのコンサルティングをするフェーズです。ロードマップ作成など将来をターゲットにした活動を含みます。
  • プロセス開発(組織、運用、ガイドラインなど)
    • HCD/UXD活動促進のための組織や運営体制のコンサルティングや、ユーザー体験、ユーザビリティ向上のためのガイドラインを作成するフェーズです。これらの活動をするための調査活動を含みます。
  • 教育・啓蒙
    • HCD/UXDやユーザビリティに関する知識や技術を伝達するフェーズです。一般の講習会、社内講習会、プロジェクト関係者に対するセミナーやワークショップ及び後輩育成などを含みます。また教育機関での学習プログラムの開発なども含みます。

 3-3)HCD/UXDやユーザビリティに関する研究

  • 人間特性
    • HCD/UXDやユーザビリティにかかわる人の身体特性・認知特性・社会特性などを明らかにする研究を指します。
  • 設計/評価手法、ツール
    • HCD/UXD活動やユーザビリティを向上させるための設計手法、達成度を評価するための評価・分析手法の研究及びそれらをサポートするツール開発を指します。
  • UI提案、先行技術開発
    • UIやユーザビリティの向上にかかわる新技術・新方式の研究開発を指します。

 3-4)その他

  • 上記に含まれないプロジェクトに関しては、自由記述してください。

(4)あなたの担当した業務

4-1)申請者の役割(実施時の役職/役割名)

  • プロジェクト内でのあなたの役職、または役割の名称と概要を自由記述してください。

  • この項目はコンピタンス記述書の採点でコンピタンスの発揮を判断する際の手がかりとなります。プロジェクトのリーダーだったのか、補佐として調整役を担っていたのか、仕様設計の担当だったのか、実装・デザインの担当だったのかなど、具体的な役割がわかるように記述してください。

  • 4-2以降では、あなた自身が担当・実践した業務について、当てはまるものに○を選択してください。プロジェクト全体では実施していても、あなたが担当していない項目は除外してください。

 

4-2)コンサルティング

  • ユーザー体験、ユーザビリティ向上や、HCDプロセスへの取り組みを支援し、組織への定着を図る。プロセス導入のコンサルティングから、HCDプロセス上の各活動のコンサルティングまで状況に応じた支援を行う業務。

 

4-3)研究・開発

  • HCDプロセスやユーザー体験、ユーザビリティに関連した調査、評価、設計手法など、HCD/UXD活動そのものに関するR&Dを行う。プロセスの見直し、定量的ベンチマーク指標の作成など、開発現場にHCD/UXD活動を定着させるための取り組みを行う業務。

  • ユーザー体験、ユーザビリティ向上を主眼とした製品やサービスのR&Dを行う。各種デバイスやGUIオブジェクトの分析や開発、また新規インタラクションやデザインの開発を行う業務。

 

4-4)調査・企画

  • ユーザーの生活実態や製品の利用状況といった、現在の社会およびユーザーの状況に関する調査、分析、ユーザーのモデル化などを行う。調査には主にアンケート、インタビュー、行動観察などの手法が用いられる。また、モデル化にはワークモデル、動線解析、ジャーニーマップなどが用いられる。これらに類する業務。

  • 各種メディア、展示会や講演会、学会などを通じた情報収集を行い、対面やネットワーク媒体などを通じてHCD/UXD関連の情報提供を行う業務。

  • ユーザー調査の結果に基づいて、ユーザー体験、ユーザビリティ品質の高い製品やサービスのコンセプトまたは仕様の提案を行う業務。

 

4-5)デザイン・設計

  • 製品・システム・サービスの要求仕様作成および検討、デザイン・設計を行う業務。

  • 仕様作成及びデザイン・設計過程で、ユーザー要求を設計案やデザイン案において実現するため、あるいは実現されていることを確認するために、確認フェーズに合ったプロトタイプを作成し、検証する業務。

 

4-6)評価・品質管理

  • 製品、システム、サービスをユーザーに提示することにより、評価対象がユーザーに適しているかどうかを判断するテストやHCDの専門知識を使ったインスペクションを行い、設計へのフィードバックおよびユーザビリティ品質の管理を行う業務。

  • 製品、システム、サービスが使用されているフィールドで利用実態の観察またはログなどを取得し、長期にわたる評価を行う業務。

 

4-7)教育・啓蒙

  • プロジェクトメンバーまたは他部署の業務担当者に対して人材育成のための教育、研修活動を行う業務。内容は、一般的なユーザビリティ概念やHCD/UXDの考え方から、実際に活動を行っていくために必要な要求分析や評価といった手法まで幅広い。

  • 各種関係部署のマネジメントや業務担当者に対してHCD/UXDやユーザビリティの重要性について啓蒙を行う業務。

 

4-8)マネジメント

  • HCD/UXDやユーザビリティ活動を担当する組織のマネジメントを行う業務。

 

 

コンピタンス記述書の記入について

各記載項目について期待する記述内容について説明します。

(1)記述書の概要と記入上の注意

 コンピタンス記述書への記入内容が審査対象です。

 コンピタンス記述書には、プロジェクト記述書に書いたプロジェクトでのコンピタンスの発揮について記載します。

  • 必須項目の違いにより、受験申請(申込み)に応じて、「審査書類」のHCD専門家資格受験者用コンピタンス記述書(ABC群)とHCDスペシャリスト資格受験者用コンピタンス記述書(A群のみ)が異なります。受験応募に応じて、該当する「審査書類」を使用してください。

コンピタンス記述書の書式について

  • プロジェクト名、申請者の役割、受験番号は「プロジェクト記述書」の記述内容で自動反映(表示)されます。
  • 記述欄は、B群、A群、C群の順で各コンピタンスが横に並んでいます。左右スクロールで確認ください。ただし、HCDスペシャリスト資格受験者用コンピタンス記述書は、A群のみになります。

  • それぞれのコンピタンスの記述は、各コンピタンスの各「求められる記入内容」毎、直接セルに記述ください。

  • 記述文字数は、グレー色部セルに自動で表示されます。1セルあたり50文字以上、500文字以内で記述してください。50文字未満、または500文字超えたセルは審査対象となりません申請者がそのコンピタンスに該当する活動をしておらず、記述できる内容がない場合は、空欄のまま提出してください。

  • 審査書類内のセル(行、列)構成は変えないでください。記述セルは、デフォルトとして、セル幅は固定、セル高さは文字数に合わせる設定にしてあります。

コンピタンス記述書の中には、コンピタンス項目毎に「定義」および「求められる記入内容」が記述されています。その内容を確認の上、 それぞれのプロジェクトで申請者自身がどのようなコンピタンスを発揮したかを簡潔に記入します。

  • 教科書的な一般的記述ではなく、プロジェクト固有のポイントを具体的に記述してください。守秘義務の関係でシステムやクライアントについて具体的に書けない場合は、利用したHCDの技術・知識、HCD業務を進める上での工夫などに焦点を当てて記述してください。

  • コンピタンス記述書はなるべく具体的に書いてください。できれば既に対外発表しているなど、公開の制約が少ないプロジェクトを優先的に選んでいただくのが望ましいです。

  • ”求められる記入内容”の、<目的と対象>は、そのコンピタンスの発揮は何について行い、それはどういうことをしたいから(目的)なのか?を記載頂くことを想定しています。

 

(2)審査の観点

各セルの内容全体を見て、該当コンピタンスが発揮されたかどうか、客観的かつ再現可能なスキルかの判断をします。審査では次のような視点でコンピタンスの発揮を読み取ります

  • 各コンピタンスに応じた内容が記述されており、コンピタンスの発揮が実証されているか。

  • コンピタンス発揮の根拠が読み取れるか。

    • 活動のアウトプットは何か、成果/効果はどうだったのかを審査申請書類全体から判断します。

  • 各プロジェクトで課題の抽出・解決が適切になされているか、複数のプロジェクトで合理的に活動しているか。

 

記述したプロジェクト(P1~P5)のうち、一番高い得点のついたものがそのコンピタンスの得点となります。1つのプロジェクトで全てのコンピタンスをカバーする必要はありません。

ユーザー調査に力点をおいたプロジェクト、プロジェクト運営に力点をおいたプロジェクトなど、申請者の役割が異なるいくつかのプロジェクトの記述あわせて、できるだけ多くのコンピタンスを記述してください。

 

以上


HCD-Netで人間中心設計の専門家になる

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した公益団体です。HCD活動の領域や役割を明確化し、それらに携わる方々のコンピタンスを認定することにより、HCD活動の活性化を目指します。

HCD-Netの認定制度は、専門家とスペシャリストの2種があり、経験やコンピタンスに応じた認定が行われます。この制度は認定のみならず、これからHCDを学び、実践しようとする方々へ目標を示します。