セミナー・サロン

今年も関西支部主催の人間中心設計に関する終日イベント「HCD-Net関西フォーラム 2023」を開催します。基本的な感染防止対策を徹底したうえで、今年は”対面のみ”の開催です。みなさんと直接お会いできない時間が長く続きましたが、”対面”の良さを感じていただければと思います。

午後の講演会のテーマは「AIと人間中心設計」です。ChatGPTなどの生成AIがブームとなっていますが、それらを使う会社・使わない会社と対応が分かれています。また、”使う”と言ってもどう使うのか? HCD-Netが2005年1月に設立され、「多くの人びとが便利に快適に暮らせる社会を目指して」ユーザビリティやUXの向上について議論を深めてきましたが、AIの民主化が進む中、企画・設計・評価といったすべての段階において、常に利用者のことを考えながらデザインをする方法”人間中心設計”は、どのようにAIと共存していくべきでしょうか? AI開発の第一人者である栗原聡先生の立場から、ユーザビリティ/UX分野での第一人者である黒須先生、安藤先生の立場から、議論を深めていきたいと思います。どうぞ、最前線の人たちのAIに対する考え方をお聞き逃しなく。

また、午前中は「定性調査結果分析法ワークショップ」で、2種類の分析法を体験いただくことができます。人だからこそ分析できるのか、AIでも分析可能なのか、そして、分析の中で起こるアイデア発想とは? データが語りかけてくる声を受け取るにはどうすればよいかを考える場にできればと思います。 

交流会も開催します。栗原先生、黒須先生、安藤先生もご参加の予定です。直接、言葉を交わすというのはとても良いものです。久しぶりにお会いしましょう。

■日時:2023年9月23日 (土) 
午前の部:10:00~12:30(受付開始 9:45)
午後の部:13:30~17:30(受付開始 13:15)

■会場:ナレッジサロン
(大阪市北区大深町3−1 グランフロント大阪 北館 7F)

■プログラム:
午前の部 ワークショップ
10:00~12:30 「定性調査結果分析法ワークショップ」水本 徹氏(HCD-Net 副理事長・関西支部長)

午後の部 講演会
13:30~13:35 開会のごあいさつ
13:35~14:35 講演①「AIと人間力 〜生成AIの登場が起こす社会変容〜」栗原 聡氏(慶應義塾大学理工学部 教授)
14:35~15:35 講演②「AI全盛時代のHCDー設計すべきは人間の何をか?」安藤 昌也氏(千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科 教授)
15:35~15:45 休憩
15:45~16:45 講演③「ヒューマンフレンドリーAIとデザイナーの仕事」黒須 正明氏(放送大学 名誉教授/HCD-Net名誉理事長)
16:45~17:25 パネルディスカッション
17:25~17:30 閉会のごあいさつ

交流会
18:00~ グランフロント大阪を予定

■参加費:
・午前の部 ワークショップ(対面のみ)
2,000円(会員)、2,500円(一般)

・午後の部 講演会(対面のみ)
3,000円(会員)、3,500円(一般)

・交流会(対面のみ)
4,950円 
※会場にて集金いたします。キャンセル前提の申し込みや直前でのキャンセルはご遠慮ください。

■参加申し込み方法:下記URLよりお申込みをお願いします。
https://peatix.com/event/3665570/

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■プログラム詳細:

午前の部:ワークショップ
9:45~ 受付開始 
10:00~12:30「定性調査結果分析法ワークショップ」水本 徹氏(HCD-Net 副理事長/関西支部長)

概要:インタビュー調査や行動観察調査などにより得られた定性データの分析方法を学びます。様々な分析方法がありますが、製品やサービスのコンセプト決めに適した分析方法、創造的な問題解決に適した分析方法について、それぞれの特徴を体験することができます。

講師プロフィール:水本 徹氏(HCD-Net 副理事長/関西支部長)ゲームメーカーや医療機器メーカーなど幅広い業務分野で、人間中心設計やUXデザインを用いて顧客満足度の高い製品を企画・開発した経験を活かし、組織への人間中心設計プロセスやUXデザインの導入コンサルタントとして活動中。また、同技術のセミナー講師を数多く勤めている。和歌山大学 博士(工学)/人間中心設計推進機構 認定人間中心設計専門家/日本人間工学会 認定人間工学専門家・人間工学専門家認定機構幹事/成安造形大学 非常勤講師(情報デザイン実習)

午後の部:講演会
13:15~ 受付開始 
13:30~13:35 開会のごあいさつ

13:35~14:35 講演① 「AIと人間力 〜生成AIの登場が起こす社会変容〜」栗原 聡氏(慶應義塾大学理工学部 教授)

概要:生成AIの登場は唐突にAIの民主化を実現し、これに伴う混乱という過渡期を通して社会の大きな変容が起ころうとしている。これを好機として日本が社会経済の浮揚に繋げることができるかどうかの鍵を握るのは我々自身である。

講師プロフィール:慶應義塾大学 理工学部 教授/慶應義塾大学共生知能創発社会研究センター センター長。慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。博士(工学) 。NTT基礎研究所、大阪大学、電気通信大学を経て、2018年より現職。科学技術振興機構(JST)さきがけ「社会変革基盤」領域統括。人工知能学会副会長・倫理委員会委員長。大阪大学産業科学研究所招聘教授、情報法制研究所上席研究員,総務省・ 情報通信法学研究会構成員など。マルチエージェント、複雑ネットワーク科学、計算社会科学などの研究に従事。著書『AI兵器と未来社会キラーロボットの正体』(朝日新書)、編集『人工知能学事典』(共立出版、2017)など多数。

14:35~15:35 講演② 「AI全盛時代のHCDー設計すべきは人間の何をか?」安藤 昌也氏(千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科 教授)

講師プロフィール:安藤 昌也氏(千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科 教授) 1997年 早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。NTTデータ通信株式会社(現株式会社NTTデータ)を経て、1998年 アライド・ブレインズ株式会社の設立に参加。取締役に就任。ユーザビリティ・アクセシビリティを中心にコンサルティング業務に従事。2006年 早稲田大学 非常勤講師、2007年 国立情報学研究所 特任研究員を兼務。2008年より公立大学法人首都大学東京 産業技術大学院大学 産業技術研究科 助教、2011年 千葉工業大学 工学部 デザイン科学科准教授。2015年より教授。2016年4月より現職。

15:35~15:45 休憩
15:45~16:45 講演③ 「ヒューマンフレンドリーAIとデザイナーの仕事」黒須 正明氏(放送大学 名誉教授/HCD-Net名誉理事長)

概要:バスの車掌やエレベータガール、邦文タイピストのように、そして近未来的には技術翻訳やプログラマーの一部など、技術的進歩につれて絶滅してしまう仕事はあるが、近年進化の著しいAIとの関係でデザイナーの場合はどうなるのだろう。AIの中心は技術であり、デザイナーはそれを応用する立場と考えられがちだが、それでもグラフィックデザインやプロダクトデザインの仕事の一部はAIに置換されるだろう。ただ、人間とコンピュータの共生関係を考えた場合、コンピュータには自由意思もなく自己意識もないわけで、その動作の方向性は人間が決定する。となれば、単なるAIの応用ではなく、AIの活用の方向性を作り出し、その適否を評価し判断するのがデザイナーの仕事になるのではないだろうか。そこを具体例に即して考えてみたい。

講師プロフィール:黒須 正明氏(放送大学 名誉教授、HCD-Net名誉理事長)1978年早稲田大学文学研究科博士課程単位取得満期退学、日立製作所に入社し、中央研究所で日本語入力方式やLISPプログラミング支援環境などの研究開発に従事。1988年同社デザイン研究所に移り、インタラクションデザイン、ユーザビリティ評価の研究に従事する。1996年に静岡大学情報学部情報科学科教授、2001年文部科学省メディア教育開発センター(2005年4月より独立行政法人、2009年4月に放送大学に併合)教授。現在は、放送大学 名誉教授。ユーザ工学の立場から人間と人工物の適切な関係のあり方というテーマに取り組んでいる。

16:45~17:25 パネルディスカッション
パネラー:栗原先生、黒須先生、安藤先生、井登、水本

17:25~17:30 閉会のごあいさつ

18:00~ 交流会(グランフロント大阪を予定)

■対象HCDコンピタンス:
A1.調査・評価設計能力
A2.ユーザー調査実施能力
A3.定性・定量データの分析能力
A4.現状のモデル化能力
A8.製品システム・サービスの要求仕様作成能力
A10.デザイン仕様作成能力
C4.手法・方法 論開発能力

【注意事項】
■領収書および請求書について:
※クレジットカードのご利用明細書、金融機関の払込受領書もしくは払込完了画面、Peatix発行の受領データをもって領収書に代えさせていただきます。
※Peatix発行の領収データについてはこちらをご参照ください↓
http://help.peatix.com/customer/portal/articles/221024
※請求書の発行はお受付いたしかねます。
※交流会の領収書が必要な場合は、直接、飲食店にお申し出ください。

■キャンセルについて:
・キャンセル前提のお申込みはご遠慮願います。
・やむを得ずキャンセルが必要となった場合は、9月15日(金)17:00までにお申し出があった場合はキャンセル手続きを承ります。それ以降のキャンセルにつきましてはお受け出来かねますので、何卒ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。交流会については無料のチケットとなっておりますが、期限後にキャンセルされ、飲食店にキャンセル料が発生した場合には、キャンセル料を請求させていただく可能性があります。特にご注意ください。
・キャンセル時の返金につきましては、Peatix Help「チケットをキャンセルしたい」をご参照ください。

■賛助会員の皆さまへ:
・2名まで「HCD-Net賛助会員」種別にて参加可能です。3名以降の方は「一般」種別となります。
・予め2名様を社内にてご調整をお願いします。3名を超えた場合は、再度「一般」にてお申し込み手続きを行っていただきますのでご了承をお願いいたします。


セミナー・サロンレポート ※研究発表会は「研究会」ページをご覧ください

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動画チャンネル

一部の講演は動画チャンネルで見ることができます。

HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。