セミナー・サロン

2月18日(木)、オンラインセミナーにて「HCD/UXデザインにおけるコンセプト評価とプロトタイピングを考える 」を開催しました。

まず1人目に「HCDにおけるコンセプト評価とそのバリエーション」と題して伊藤 泰久氏より講義をしていただきました。
アイデアの段階でその受容性を評価することが大事になってきています。しかしながら、その方法に迷われている方が多くいます。伊藤さんの具体的な手法の説明は、そんな方達へと大きなヒントになったのではないでしょうか。

2人目は坂口和敏氏による「サービスデザインにおけるコンセプト検証と妥当性確認」です。
アーキテクチャ、インタラクションデザイン、コンセプトの関係性を説明しながら、そこに潜む問題点やその検証についてなど新しい目線でお話いただきました。
すぐに理解することは難しい箇所もありましたが、新しい視点での考え方に参加者からも多くの質問が寄せられました。

3人目は草野孔希氏より「状況に応じたプロトタイピングの設計と実施」というタイトルで講義をしていただきました。
プロトタイプの目的やどう使うか、ということから始まり、リサーチや検証との関係性、多くのプロトタイプ事例、など幅広くプロトタイプを軸にお話しいただきました。

それぞれのお話に参加者からは多くの質問が寄せられ、時間内に収まらなかったため後日回答するほど質疑応答も盛り上がりました。
参加者からは「3者ともそれぞれの話し方やご説明を感じられて参加意義がありました」、「自分の現場に置き換えて考えられる内容が多く、役に立つと感じました」などの声をいただきました。
また、手法については「より詳しいことが知りたい」「詳細な事例を教えてほしい」という声もありましたので、こうした声を生かしたセミナーを企画していきたいと思います。
初心者の方もベテランの方も、知識の棚卸のためにも、こうした講座を活用していただけると嬉しく思います。

概要

ユーザーにとって価値のあるサービスやプロダクトを届けるためには、開発上流のコンセプト段階でユーザーに響くかどうかを確かめて、軌道修正をしていくことが重要になってきます。
デザインの過程では、ユーザー調査&分析によってユーザーにとっての本質的・潜在的価値を見つけ、その結果に基づいてコンセプトや概要を作成するといったことを行われています。コンセプト評価は、その「作成したもの」がユーザーにとって意味のあるものかを確かめる活動です。
ユーザーに評価してもらうためには、適切な評価手法や評価対象であるプロトタイプが必要です。手法としてはいろいろなやり方が提唱され、実践されていますが、開発のフェーズや適用分野の違いを網羅した体系的な教科書はない状態です。

今回は、コンセプト評価を実践している3名の方々に考え方・バリエーション・実践例など蓄積されつつある知見を紹介いただきます。その上で、HCDにおけるコンセプト評価について登壇者同士でざっくばらんに話す時間を設けます。参加の皆様も質問やコメントを寄せていただければと思います。

<対象者>
*HCDに関しては入門程度の知識のある方を前提としています。
・サービス、プロダクトの企画・仕様作成に関わっている方 (プランナー、エンジニア、デザイナー、プロダクトオーナー等)
・HCD/UXデザインの実践に携わっている方

■日時:2021年2月18日(木)19:00~21:00

■会場:オンライン(zoom予定)
※アクセスURLはお送り頂いたメールアドレスに前日までにお送りします。

※セミナー後、録画視聴可
参加申込者に期間限定(1週間)、録画したものをストリーミング配信します。

■参加費:
HCD-Net正会員/賛助会員:3,000円
HCD-Net学生会員:1,000円
一般:5,000円
一般学生:3,000円

■プログラム:
・HCDにおけるコンセプト評価とそのバリエーション(伊藤泰久氏)
・サービスデザインにおけるコンセプト検証と妥当性確認(坂口和敏氏)
・サービスの開発状況に応じたプロトタイピングの設計と実施(草野孔希氏)
・ディスカッション&参加者からの質問・コメント

■対象コンピタンス
A1:調査・評価設計能力
A11:プロトタイピング能力
A12:ユーザーによる評価実施能力
B1:プロジェクト企画能力

人間中心設計(HCD)コンピタンスマップ 2020年版(HCD-Net)
https://drive.google.com/file/d/1MU0Es0xaJj612ZRcqoDCW-sjvGFX3GMJ/view

講師

伊藤 泰久氏(DN Technology & Innovation株式会社)
2000年より製品やサービスのユーザビリティ・UXの評価、企画および開発支援に携わる。研究領域では、事業や製品・サービスの社会的インパクトの評価にも取り組み中。
HCD-Netでは、初心者セミナーやエキスパートレビューのセミナー講師を歴任。
HCD-Net認定 人間中心設計専門家、日本評価学会認定 評価士、準認定ファンドレイザー

坂口 和敏氏 (山口大学)
インタラクションデザイン、デザイン学、システムデザインマネジメント学が専門。2000年九州芸術工科大学大学院修了。デザイン会社、建築アトリエを経て、2006年富士通株式会社デザインセンター入社。イノベーションデザイン、UX、サービスデザインのデザインディレクターとして様々なプロジェクトに従事。国内外の様々なデザインアワードを受賞。2020年9月より現職。九州大学大学院、武蔵野美術大学非常勤講師。
ポートフォリオ https://ixdl.myportfolio.com

草野 孔希氏(株式会社メルペイ)
電気通信大学大学院修士課程修了後(工学修士)、通信事業会社の研究所にてデザイン方法論の研究および研究知見を活用したコンサルティングに従事する傍ら、社会人博士として慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科にて博士後期課程修了 博士(SDM学)。現在はメルペイのUXリサーチャー第一号としてUXリサーチを活用したサービスデザインの実践と研究に従事。慶應大学大学院SDM研究科特任講師、情報処理学会HCI研究会幹事。


セミナー・サロンレポート ※研究発表会は「研究会」ページをご覧ください

アーカイブ(すべてのセミナー・サロン開催概要)※研究発表会は「研究会」ページをご覧ください

動画チャンネル

一部の講演は動画チャンネルで見ることができます。

HCD-Netで人間中心設計を学ぶ

HCD-Net(人間中心設計推進機構)は、日本で唯一のHCDに特化した団体です。HCDに関する様々な知識や方法を適切に提供し、多くの人々が便利に快適に暮らせる社会づくりに貢献することを目指します。

HCDに関する教育活動として、講演会、セミナー、ワークショップの開催、 HCDやユーザビリティの学習に適した教科書・参考書の刊行などを行っています。