セミナー・サロン


近年、SDGs、CSR、ESG、サステナビリティ、多様性といった言葉が広く聞かれるようになりました。これらはいずれも、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すものであり、すべての人にとって使いやすく、アクセスしやすい製品・サービス・環境を目指すユニバーサルデザイン(UD)の考え方と深く通じ合うものです。

ユニバーサルデザインという言葉が、ノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス教授によって提唱されたのは1980年代のこと。日本国内でも1990年代以降、建築や交通、家電、IT、教育など多様な分野でその取り組みが進んできました。

しかし現実には、「UDに取り組んでも利益につながるのか?」「費用対効果はどうか?」といった声が、いまだ企業内では根強く聞かれます。大切な価値観であるにもかかわらず、実践には壁がある——これが多くの方の実感ではないでしょうか。

今回のセミナーでは、単に事例を紹介するだけでなく、「どのように社内を動かすか」「取り組みを継続するには何が必要か」といったリアルな知見を共有し合う場とすることを目指します。先進企業の取り組みを知り、参加者同士・講演者との対話(交流会も設けています)を通じて、各自の現場で次の一歩を踏み出すきっかけとしていただければ幸いです。

ユニバーサルデザイン/インクルーシブデザインに関心のある方、すでに取り組まれている方、これから始めたいと考えている方など、さまざまな立場の方のご参加をお待ちしています。

※本セミナーは、今後も年2回(東日本・西日本で各1回)の開催を予定しております。ご参加はもちろん、ご講演や会場提供などのご協力も歓迎いたします。

■日時:2025年10月24日(金)10時00分~17時20分
    ワークショップ:10時00分~12時50分(受付開始9時30分)
    講演会:13時30分~17時30分(受付開始13時00分)

■会場:株式会社島津製作所 本社 E1大ホール

■共催:特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)
     特定非営利活動法人 インクルーシブデザインネットワーク

■定員:インクルーシブデザイン体験ワークショップ 20名
      講演会 80名

■参加費:
インクルーシブデザイン体験ワークショップ(昼食込み)
 HCD-Net会員・インクルーシブネットワーク会員:4,000円
 一般:5,000円
講演会
 HCD-Net会員・インクルーシブネットワーク会員:4,000円
 一般:5,000円
交流会
 一律:5,000円

※情報保障が必要な方は、開催の3週間前までにPeatixのメールにてご連絡ください。

■参加申込方法:下記よりお申込みください。
https://peatix.com/event/4555400/
  
■プログラム:
インクルーシブデザイン体験ワークショップ
10:00 はじめの挨拶
10:10 インクルーシブデザインとは?事例紹介
10:40 視覚障害リードユーザーの紹介
10:50 視覚障害体験:白杖・ロービジョンメガネ・ココテープ・スクリーンリーダー
11:30 視覚障害リードユーザーとランチ&観察
12:30 気づきの共有
12:50 おわりの挨拶

講演会
13:30-13:40 はじめの挨拶
13:40-14:30 講演①見えづらい"ちがい"を活かしたインクルーシブデザインとLedesoneの取り組み事例
14:30-15:20 講演②多様性とアクセシビリティ(仮)
15:20-15:30 休憩
15:30-16:20 講演③「そのままでいい、そのままがいい」暮らしをかたちに 〜フェリシモ オールライト研究所〜
16:20-17:10 講演④ あたらしい「やさしさ」をつくる~パナソニックのインクルーシブデザインの取り組み
17:10-17:20 おわりの挨拶
18:00-    懇親会 ※西院駅周辺を予定しています


■ワークショップ内容詳細:
インクルーシブデザイン体験ワークショップ 〜視覚障害リードユーザーと新たな価値を共創する〜

概要:
障害者など多様なリードユーザーをプロジェクトの初期から巻き込み、共に価値創造していくインクルーシブデザイン。 視覚障害者は光のない世界のプロ、聴覚障害者は音のない世界のプロ、車椅子ユーザーは移動のプロであり、僕らを「未知の未来に導いてくれる」パートナーです。本ワークショップでは、白杖やロービジョンメガネ、視覚障害者歩行テープ「ココテープ」、スクリーンリーダーを用いた障害体験や、視覚障害リードユーザーとのランチ&観察を行います。
インクルーシブデザインやリードユーザーと共創することの魅力や可能性を、体感していただけます。

講師プロフィール:
タキザワケイタ氏(PLAYWORKS株式会社 代表取締役 インクルーシブデザイナー)
大学を卒業後、設計事務所、企画会社、広告代理店を経て、障害者など多様なリードユーザーとの共創からイノベーションを創出する、インクルーシブデザイン・コンサルティングファーム PLAYWORKS株式会社 を設立。インクルーシブデザイン、サービスデザイン、ワークショップの豊富な経験やノウハウ、リードユーザーコミュニティを活用し、新規事業・サービス・製品開発・人材育成・組織開発の伴走支援を行なっている。
九州大学 非常勤講師・筑波大学 非常勤講師・青山学院大学 ワークショップデザイナー育成プログラム 講師
https://playworks-inclusivedesign.com

■講演会内容詳細
講演①:見えづらい"ちがい"を活かしたインクルーシブデザインとLedesoneの取り組み事例

概要:
Ledesone(レデソン)は「ひとりひとりが過ごしやすい社会をともにつくる」をミッションに掲げ、インクルーシブデザインの考え方をいかした企業の事業開発や商品・サービスの改善支援に取り組んでいます。本講演では、「見えづらい“ちがい”」とは何かをひもとき、発達障害のある当事者として捉えるインクルーシブデザインの可能性、そしてLedesone独自のプロジェクトや企業との協働による取り組み事例をご紹介します

ご講演者プロフィール:
常岡 天祐氏(合同会社Ledesone(レデソン)代表・インクルーシブデザインプランナー)
ワークショップやリサーチを通じて、企業の製品・サービス開発改善支援の他、発達障害との共創プロジェクト「ハッタツソン」や大人のLD(学習障害)をテーマにしたプロジェクト「おとなLDラボ」を展開するなど、見えづらい障害や特性を活かしたインクルーシブデザインに挑戦するプランナーとして活動中。LD(主に書字障害)とADHDの当事者。https://ledesone.com

講演②:多様性とアクセシビリティ(仮)
概要:
弊所ではインクルーシブをとりいれたアイデアソンハッカソンやイベントを開催しております。その成果や事例についてお話させていただきます。

ご講演者プロフィール:
板垣 宏明氏(NPO法人アイ・コラボレーション神戸 理事長)
神戸のポートアイランドに事務所を構え、スタッフの大半が当事者で、主にウェブサイト制作/システム開発/アクセシビリティ診断業務(JIS試験/ユーザ評価/職員研修)/アプリのUI設計/UD現地調査などを行っている。2015年より「アクセシビリティの祭典」、2018年より「わたしたちの未来をつくるアイデアソン・ハッカソン」を主催で開催している。

講演③:「そのままでいい、そのままがいい」暮らしをかたちに 〜フェリシモ オールライト研究所〜
概要:
オールライト研究所は、「そのままでいい、そのままがいい」暮らしをみなさまと一緒に研究するフェリシモの社内プロジェクトです。本講演では、多様な人々の声を反映したモノづくりについて、具体的な事例を交えながらご紹介します。最初に作ったプロダクト「裏表のない世界」の開発のプロセスや、片手で使えることにこだわったら、みんなにやさしくなったファッションアイテム「one hand magic」のラインナップなど、具体的な商品をご覧いただきながら、その背景にある想いと工夫を紹介します。

ご講演者プロフィール:
筧 麻子氏(株式会社フェリシモ オールライト研究所)
株式会社フェリシモ オールライト研究所 プロジェクトリーダー。2006年に入社後、2度の育児休業を経て情報システム部門に勤務。2021年より「オールライト研究所」のメンバーとなり、2023年からプロジェクトリーダーを務める。情報共有の工夫や仕組みづくりを得意とし、現在はIT企画室室長。高校生と中学生の2児の母でもある。

講演④:あたらしい「やさしさ」をつくる~パナソニックのインクルーシブデザインの取り組み
概要:
「人にやさしいモノづくり」は、パナソニックの創業以来のDNAです。2023年からはより多くの人が使える、使いやすい製品づくりを目指して、全社をあげてユニバーサルデザインを推進してきました。そして今、その対象をさらに広げ、新しい「やさしさ」をつくるために、インクルーシブデザインに取組んでいます。
本講演では、インクルーシブデザインの推進にあたって策定した、達成要件や、5つの行動指針、実践ツールなどをご紹介します。また、リードユーザーの方との対話と共創を通じて開発した、フラットな操作ボタンに貼り付けて使う「アタッチメントチップ」について、プロセスも含めて詳しくご紹介します。

ご講演者プロフィール:
中尾 洋子氏(パナソニック株式会社 デザイン本部 トランスフォーメーションデザインセンター DEIデザイン課)
松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社後、白物家電のデザインを経て、2005年から家電を中心にユニバーサルデザイン(UD)商品開発、推進を幅広く担当。 2012年からはパナソニックグループのUD推進事務局として、幅広い事業領域での開発を支援すると共に、UDサイトでの情報発信や、社内外の講演を通じてUD理念の普及にも注力。2023年からはパナソニックグループ内のインクルーシブデザイン推進をリードし、定義を策定するワークショップやツールの制作を通じて敷衍に努めている。2017年にパナソニックのUDコミュニケーションでIAUDアウォード大賞、2024年にパナソニックのインクルーシブデザインでIAUD国際デザイン賞大賞受賞。


【注意事項】
■領収書について:
※領収書はチケット申し込み時に利用したアカウントより取得してください。 
※クレジットカードのご利用明細書、金融機関の払込受領書もしくは払込完了画面、Peatix発行の領収データをもって領収書に代えさせていただきます。
インボイス制度対応の領収書が必要な方は、Peatix発行の領収データをご利用ください。
(参考サイト:https://help-attendee.peatix.com/ja-JP/support/solutions/articles/44001826297
※HCD-Netより領収書は発行しません。

■キャンセルについて:
・キャンセル前提のお申込みはご遠慮願います。
・やむを得ずキャンセルが必要となった場合、キャンセル期限「10月20日(月)12:00」までにお申し出があった場合のみキャンセル手続きを承ります。それ以降のキャンセルにつきましてはお受け出来かねますので、何卒ご理解いただきますようよろしくお願い申し上げます。
・キャンセル時の返金につきましては、Peatix Help「チケットをキャンセルしたい」をご参照ください。

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